唐招提寺展/見る価値あり
上野の国立美術館で開催されている『唐招提寺展』を見てきました。
期待以上で、本当に至福の時をすごしました。
最初にあった勅額、【唐招提寺】。実際は、金堂の入り口の軒にあるもので、このように近くで見られるものではないので、じっくり拝見。孝謙天皇(女帝です)が書かれたものかもしれない文字。確かにそういう目で見ると、すっきり細やかですが、のびやかな素直な字で、天皇の文字らしさがあるような。
そして、金堂内部再現のコーナー。やはり国宝の慮舎那仏に圧倒されました。魂抜きをしてお寺を出た仏像のはずですが、自然に頭が下げたくなりました。実際のお堂では、こんなお膝の近くによって、見上げることなどできません。ましてや裏に回ってお背中を見るなんてことは。今回限りのことです。
この唐招提寺の四天王立像の中では、多聞天が一番好きです。瞋目(しんもく)といって仏の怒りを表しているそうですが、ぐっと目と眉を寄せにらんでいる姿は、静かだけれど力強さを感じます。
増長天も衣の動きを面白く見ました。
次の展示室は、この平成の修理の様子やお堂から出た瓦や軒の支えなど、そしてその修理の様子のビデオ。
お堂の天井支え板やそこに描かれている絵などは、もう再建されてもとの位置に戻されれば二度とみることはできません。
今回、人気がその軒の隅で屋根を支えていた「隅鬼」達。西北の隅鬼のお顔が、なんだか寒むそうに見えたのは気のせいでしょうか。また、修理が終わればもとのところに戻され、下から見上げても見えなくなります。また何百年か、重たい屋根を支えると思うと、頭をナデナデしてやりたいような。
そして、東山魁夷の描いた御影堂の障壁画のコーナー。
でも、そこに入る前に、バーチャルシアターがあります。先日、このココログのブログで、きのこさんの【Tea time Diary】(トラックバックさせていただきました)で、この唐招提寺展に行かれたときのものを、読ませていただいて、その障壁画を見る前に、このバーチャルシアターで、御影堂の様子を見たほうがよいとのアドバイスを、しっかり、実践しました。
コンピュータグラフィックスですが、本当に、御影堂に入って見ているような出来でしたし、飾られている部屋の雰囲気がよくわかりました。(きのこさん、ありがとう)
そして、その障壁画。素晴らしいの一言。本当に音が聞こえてくるような壁画。お目の見えない鑑真和上に、『濤声』では大きな波や砂浜に寄せる静かな波の音が、また『山雲』では、滝の音や山の霧の流れ、ホトトギスの声などをお聞かせしたいとの作者の思いが伝わってきました。この「山雲」の描かれている上段の間の違い棚上にある天袋には、ホトトギスが描かれていますが、これは、鑑真和上が入滅の5月6日にちなんでとのこと。
今まで、ふすま絵がこんなに素晴らしいものだとは思ってもいませんでした。
そして、最後に『鑑真和上坐像』
初めて実物を見ました。そして、感動しました。
たしか、松尾芭蕉もこの御像を見て、
若葉して御目の雫をぬぐはばや
と詠んでいましたよね。ほんとうに、やさしい口元、目で、できることなら、そうしたいと思います。あの障壁画に囲まれて、じっと坐っておられる和上像を想像しただけで、心が平和になります。
まだまだ、この世にはいいものや楽しいものがたくさんあると思いますが、この和上像や障壁画を見ることができて、本当に幸せだと思えました。だから至福の時。
見ようかな、どうしようかなと思っている方、絶対、行くことをお勧めします!
前庭で、最後にいただいた鶴屋吉信のお菓子とお抹茶、たいへんおいしゅうございました。
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