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歌舞伎女形のつくりかた

「歌舞伎ならではの女形の世界」というある企業が企画したセミナーに行ってきました。
中村芝雀さんの話と実際の女形のお化粧の実演です(拵え/こしらえというそうです)。芝雀さんは、人間国宝の中村雀右衛門さんの次男で、今、同じく女形として、注目の役者さんです。舞台で見ると日本人形のようにきれいです。実際の芝雀さんは、女形らしくやや小柄ですが、とても49歳などとは思えない若々しい方で、お話も上手で約2時間、あっという間でした。

 亡くなった歌右衛門さんのイメージがあったので、歌舞伎役者さんの女形さんの生活は、普段からお着物なのかと想像していましたが。。。実際、江戸時代は、この子を女形にしようと思うと、小さなうちから、普段の生活から「女の子」っぽく育てたそうです。例えば、遊びは女の子のようにおはじき、お手玉などと。でも、現代はそんなことはなく、舞台を降りれば普通の生活で、お宅ではお着物も着ていらっしゃらないそうです。

 『助六』の花魁の履く三本足の下駄を見せていただいのですが、まあ、その重いこと。4キロほどあるそうです。
高さも25cmほどあります。ふつうでは歩けません。だから、若い者の肩に手を置き寄りかかりながら歩きます。
その手のあたる若い者の肩には手ぬぐいが置かれていますが、必ずその舞台の揚巻役の家紋だそうです。今度、助六を見るとき、オペラグラスでしっかり見てみよう!
セミナーにあの大きな派手な簪のついたカツラが10kg、お衣装は30~40kgだそうで、ちょうど、その下駄でバランスがとれるのだとか。でも、衣装代でいうと、『助六』で一番お高いのが、意休のものだそうで、なんと4~500万円だそうです。

 で、メインイベントの化粧。そのセミナーを主催した企業の男性社員がモデルでした。
最初に、羽二重で「目つり」・・・髪の生え際を羽二重のヒモでしばるのです。。。整形美容でいう、リフトです。モデルの男性社員さんも、顔全体が突っ張られていると言ってました。
 それから、「びんつけ油で下地を整える」・・・びんつけ油はハゼの実から絞るもので、お相撲さんの髪を整える油にも使われています。このとき、「眉毛つぶし」、つまり眉毛を肌と同じく平面になるようにこの油で念入りに寝かせてます。昔の女形は眉は一般の女性と同じく剃っていたそうですが、現代は、女形でも舞台を降りれば一般の生活ですから、眉なしでは困りますね。このびんつけ油、「和ろうそく」の原料でもあるそうで、塗られたあとやはり肌が突っ張る感じだとモデルの言。
 そして練りおしろいで白塗りに。これは水で必ず溶くもので、お湯では肌につかないそうです。冬場、背中に塗るときはやはり冷たいそうです。
 眉のあたりからほほにかけて、今度はピンクを入れます。これは赤の砥の粉だそうですが、筆で朱をさしたあと、スポンジでぼかします。舞子さんのお化粧と同じです。昔はすべて手でぼかしていたそうですが、やはり現代の舞台の照明や客席からのオペラグラスで見られることから、今は「筆」を使って、きちんとしたメイクをしているそうです。
それでもお化粧は、「勢い」が大切とおっしゃっていました。だから、立ち役さんの隈取りでも、「書く」とは言わず、
「入れる、さす、取る」等の言葉が使われているとか。
 それから、もう一度頭の羽二重をまき直し、さらにテープで肌をひっぱりようるにつっていました。こうすると、あごの線、ほほの線が上にひっぱりあげられ、細くなります。。。(本当に、現代の整形手術のシワのばしと同じ!)
 それから眉描き。眉の位置にまた赤を入れ、その上に黒墨で描きます。下に赤をいったん入れてから黒を置くのは、こうするとただ黒で書くより「やさしく見える」そうです。
 「めはり」・・・メバリを入れるといいますが、歌舞伎のお化粧では濁らせず、メハリだそうです。唇は娘役ですから、小さくぷっくりと水紅で入れます。、そして、目の上下にまた朱を入れ、ぼかします。最後に目頭、目尻に黒をいれ、目をはっきり大きくみせるようにします。
 実際はカツラ、そして衣装。さらに最後に手を白粉で塗ります。手を最後にするのは、白粉でカツラや衣装をよごさぬようにとのこと。
 モデルの男性(たぶん30歳前後)、お顔はすっかり17・8歳の可愛らしい娘さんの顔になっていました!

それにしても、芝雀さんのお肌はツヤツヤしているのです。なにか特別な肌の手入れをなさっているのかと質問されていますが、こうしたお化粧をし、取るために油でうかして洗顔、また塗って、また取って、その「洗顔」が一番肌にいいのではないかとのお答えでした。そうですね、びんつけ油で下地を整えているところを見ると、まるでマッサージをしているようなもんですから。わたしも、毎晩の念入りな洗顔とマッサージ、しっかりやらねば!

4月には、吉右衛門さんらと金丸座でのこんぴら歌舞伎です。歌舞伎座の照明とは違ってはいるものの、それでもお化粧は基本的にはいつものようになさるそうです。見に行きたいですねぇ。。。。

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