初春大歌舞伎 坂田藤十郎襲名
お正月の歌舞伎座はやはりいつもより、ちょっとばかり華やか。若い方達の振り袖姿も目立ちました。そして、さらに今月は、東京でも藤十郎の襲名披露。きのう4日、歌舞伎座にはそのうきうきした気分もただよっていました。
今回は、夜の部の観劇。
最初の「藤十郎の恋」、扇雀の藤十郎、きれいでした。関西歌舞伎の役者さんをあまり見る機会がなかったので、これほどはんなりした役者さんとはしりませんでした。隣席のおば様達が「若いときの鴈治郎にそっくり」と話しておられましたけど。ふっくらしていかにも「江戸時代の人気歌舞伎役者」ってこうだったのだろうと。原作は菊池寛。話の筋は、和事芸の工夫に行き詰まり、舞台でのほんものを演じるため、人の女房である料理屋の女将に言い寄り、そのときの女房お梶の様子から演技を編み出したというもの。
そしてお目当ての「口上」
舞台背景のことが話題になっていたのですが、事前に聞いていてしまったからか、あまり斬新な、とは感じませんでした。また、お正月のNHKで京都南座での口上も見てしまっていたので、ちょっと。幹部連が居並ぶその上手に幸四郎、下手に吉右右衛門が締めていました。
「伽羅先代萩」
いよいよ本命、政岡役で藤十郎の登場。千松役は、今回虎之介を襲名した扇雀の長男。声をよく出ていたし、セリフもきちんと覚えていてて可愛かったです。
梅玉の八汐のにくらしげなこと。白の着物とうちかけに、さらに白だけのお化粧。政岡が、赤の着物に黒地に雪持ちの松の模様のうちかけ(裏地はまた紅絹でまた目立つこと)。栄御前の秀太郎もよかったです。敵役こそ、しっかりした人がつとめてこその主人公。
例のお茶の台子での飯炊きの場面。小さなおにぎり(たぶん、おだんごかな。。。子役の二人は口にいれていましたから)が出て、そのあと政岡がお茶を出すのですが、若殿には天目台にのせた茶碗で、千松には、ふつうの茶碗。まさに貴人清次でした。
千松役の虎之介君、なぶり殺しされたあと、ちょっとジジの愁嘆場が長いので、足がゆらゆら動いていたのは、おなぐさみ。でも政岡のこの愁嘆場、見せ場でした。義太夫と三味線も舞台の藤十郎をじっと見ながらの演奏。
その後、舞台が大きくせり上がって、床下の場面へ
これが襲名興行のお約束でしょう。仁木弾正を幸四郎、荒獅子男之助を吉右衛門です!吉右衛門の格好いいこと。また幸四郎はセリフなし!ですよ。それでも弾正の不気味さ十分。この二人、兄弟であっても、めったに同じ舞台で並んで立っているのを見ることがないので、もうこれだけで席料の2万円取り返した気分。
それにしても夜の部は、口上とこのほんの5分ほどの場面だけ。。。。やはり襲名披露公演です。
最後はお正月らしい舞踊。最初が福助の「島の千歳」
福助もまたきれいで、うっとり、踊りもためいきが出ました。(踊りはやや苦手な私でも。。。です)
そして、「関三奴」は、橋之助と染五郎。大名行列の先頭をいく奴、奴の持つ毛槍を扱っての踊り。威勢がよくて、お囃子連中もにぎやかで、お正月らしい出し物です。橋之助の踊りがよかったかな。
さて、着付けを習い始めてもうすぐ一年。やはり人の着物姿はよく眼につきます。
歌舞伎座や道中で見かけた「いただけない」着物姿について。
その1 着物をあまりにも短く着付けている
紬は短く着付けるのが道理としてても、足袋のこはぜ四つ、五つが全部見え、その上の足首の肌まで見えそう、まるで着物から足がニョッキリほど短すぎるのは、どうでしょう。料理屋や旅館の仲居さんならともかく。自分で着るときは、上から見て裾が見えないので、必ず鏡で確認するべきですね。最初は長めに着付けても帯を結ぶとちょうどいいくらいの長さになるものです。
その2 着物の前が深く合わせすぎ
前の襟がほとんど身体の横にいってしまい帯の上に襟合わせが見えず、なんだか間がぬけて見える。これは、前幅がありすぎ?つまり、仕立てが大きすぎるから、こうなってしまうのでしょうか。
その3 末広がりの裾
着付けるとき、裾をしっかり上げていないので、腰の幅どころか、それ以上に広がってしまってなんだか、だらしなく見えます。後ろから見て裾つぼまりに着るというのは、なかなか難しいですが。
その4 襟の抜きすぎと襦袢の襟のはみ出し
襟の抜き加減は人の好みかもしれませんが、イスに掛けたとき、後方の席から見ると、まるでタンクトップを着ているように見えてしまうほど、広く抜きすぎるのはどうでしょう。若い娘さんならまだしも、中年のおばさんの背中はいただけません。
また、襦袢の後ろ襟が飛び出ているのは、やはり野暮な感じがします。着付け教室でもうるさく、「襦袢がきれいに着られるかどうかが、着付けの90%を決める」と言われます。難しいです。
その5 後ろのお端折が帯のたれから出ている
お太鼓の位置や大きさの問題、または、お端折の位置(腰ひもの結ぶ位置)の問題でしょうか。せっかくの着物姿の眼目、後ろ姿が台なしだと思うのですが。
もちろん、歌舞伎座では、素敵な着かた、色合わせ、帯などがたくさん見られ、それが楽しみの一つでもあります。幕間にロビーで拝見する役者さんの奥様、売店あたりの観客の着物、着付け、髪型など。
私は、目下のところ、着物に二重太鼓でという日は、なんと2時間前から支度にかかります(汗)。一度で着られればよし、だいたい帯をやり直すというパターンが多いので、これくらいの時間が必要。あ、それから、天気予報で雨ときたら、とりやめです。歩き方がだめで、必ずはねを上げてしまうので。
着物はまだまだ「着て」いません。「着られている」状態からちょっとという所でしょうか。でも、とにかく、たくさん着る機会をつくって、せめて、支度に一時間。。。あたりにもっていきたいです。
ところで、2日には、小泉首相は新橋演舞場で海老蔵の「信長」をご覧になったとニュースで見ました。この歌舞伎の襲名披露興行には?と思っていたら、もうすでに昨年、京都、南座で見ているのですってね。
小泉首相は、相撲、オペラや歌舞伎を含めたいろいろな観劇によく出没しています。いままでの首相の中で、こうした動きがニュースで伝えられる首相は初めてでしょう。もちろん、外国の要人などの来日の際、お付き合いで歌舞伎や相撲見物などした首相もいたでしょうが、小泉さん(?)はほんとに、好きなのだと思えます。政治的にはいろいろ感じることもありますが、国の首相が余暇に、料亭での遊びだけでなく(?)、こうした楽しみを持っていると知ることは、国民としてちょっと嬉しい気がしています。ナショナリズムが強くなりすぎるのでは困りますがね。
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