店員さんお勧めの本
溝の口の文教堂書店に行くと「店員さんお勧めの本」というのが何冊か棚に並んでいました。
「私は、この本を売りたくて書店員になりました。どこに向かって歩いていけばいいのかわからなくなってしまったという方、是非読んでみてください。はきりとした方向と、無限の力を与えてくれます。感動、感動、感動です」というコメントを見て、購入しました。
湯本 香樹実(ゆもと かずみ)著『ポプラの秋』という本です。
ポプラの秋新潮文庫
読み終わって、「人生って、いろいろ大変だけれど、ああ、やはり一生懸命生きていかなくては。。。」と、思える本です。
内容は、父親を突然亡くした7歳の少女と、夫の死を直視できないでいるかのような少女の母親、そんな2人が、世の中から逃げるように引っ越した大きなポプラの木があるアパートの不思議な大家のおばあさん、そして、同じく世の中からちょっとはじかれてしまったようなそのアパートの住人達。
7歳の子供であっても、大人と同じように、それ以上に悲しんでいるのに、大人と同じように、人を気遣って、自分は我慢している主人公。苦しみや悲しみを自分一人の心の中に閉じこめてしまっていると、だんだんその心の澱がたまっていき、いつかカタルシスが起きてしまうのは、人間誰でも同じです。
上手にそれをはき出していくことが、生きていく上で大切なこと、そのきっかけが、不思議なおばあさんであり、古い箪笥の引き出し。
大切なモノを失ない生きる気力をなくしたり、悲観したりしている人たちが、その深い悲しみや苦しみを、ゆっくりと乗り越え、再び、生きることに前向きになっていく物語です。
少女の祖母が夫を亡くして落ち込んでいる娘、つまり少女の母親に言った言葉、これがいいのです。
「『ああ、あの時は、まだ若かったのに』なんて後悔しないようにしなさいよ」
そう、人間は、悲しいことがあると、もう全てが終わってしまったような気がして、もう何をするにも遅いような気がするものです。
けして、もういまからでは。。。何をしてもしかたがない、なんてことはないのだと、力づけられました。
この作家のデビュー作品『夏の庭』(The Freiends)も読んでみようと思ってます。
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